ムルモ&パピィ(9)

 パピィ「もうっ、真っ暗で何も見えないじゃないの!」
 ムルモ「抜け穴なんだから仕方ないでしゅ」
壁を伝いながら、二人はゆっくりゆっくり前へ進んでいきます。

 パピィ「あたちを置いていったらただじゃすまないわよ」
 ムルモ「ボクの手を離しちゃダメでしゅよ」
歩いているうちにだんだん目が慣れてきて、自分たちが地下水路を歩いていることが分かりました。

 パピィ「これで行き止まりだったら責任取りなちゃいね」
 ムルモ「ボクの記憶に間違いはないはずでしゅ!」
 パピィ「ムルモの記憶だから信用出来ないわね」
 ムルモ「いいから黙ってて欲しいでしゅ~!」

 歩き始めて1時間が経った頃でしょうか。
二人の前に見えたのは…。
 ムルモ「あっ、あの光は出口じゃないでしゅか?
     ボクたちやっと出られるんでしゅよ」
 パピィ「そ、そうね」

 ムルモが地上への出口から顔を出してみると、空には大きな月が、そして遠くにお城があるのが見えました。
 ムルモ「やっと出られたでしゅ!
     ボクたちこんなに歩いたんでしゅね、パピィ」

 ムルモがパピィの方を振り返ると、パピィは目に涙を浮かべていました。

 ムルモ「パピィ?」
 パピィ「わ~~んっ!」
突然、パピィがムルモに抱きつきました。
驚いたムルモが何かを言いかけましたが、その前にパピィが泣きながら叫びました。

 パピィ「ムルモがあたちのことを覚えてなくてもいいわ。
     でも…あたちはムルモのことが好きよ!
     ずっとずっと前からムルモのことが好き!
     好き!好き!もう大好きなんだからっ!」
 ムルモ「パピィ…」
 パピィ「ムルモ~っ」

 ムルモは戸惑いながらも、わんわん泣き続けるパピィを自分の胸に引き寄せ、そっと抱きしめてあげました。
鮮やかな月明かりがいつまでも二人を照らし続けます。
二人を暖かく包み込むように。


 二人のこんな展開なんてあり得ない!という苦情が寄せられそうですが(^^;、アニメとは違うアナザーストーリーということで無理矢理パピィちゃんに告白(?)させてみました。いやぁ、ホントこっぱずかしいですね(^^;。二人のセリフをもっとじっくり書きたかったけれど、文章が苦手な私なのでこれで限界です。

 二人とも頑固な性格ですが、私的にはムルモがパピィに告白するよりも前に、パピィが素直になってムルモに告白するのかなぁと思っています。というかムルモは157話「ラベンダー色の恋・妖精編」でパピィにキスしたりとすでに態度で表現済みですね。「いや、あれぐらいじゃまだまだ…」という意見もありそうだけど(^^;。

 ストーリーの方はあと1話だけ続きますのでお付き合いくださいませ(^^)。それと、「暗い地下水路で何で魔法使わないの?」というツッコミは無しでお願いします~(^◇^;)。

(2006/10/28)