それは一日前のことでした。
妖精デパートでお買い物を楽しんだパピィちゃん。
たくさんのキャンディを抱えながら妖精デパートを後にしました。
すると二人の女の子妖精が話しているのが聞こえてきました。
「知ってる?知ってる?
ミモモショップに今とっておきの限定商品があるみたいよ」
「へ~、どんな商品なの?」
「願い事をかなえるお香があるみたいなんだ。
友達がそのお香を焚いたら、好きな人と両思いになれたんだって!」
「すご~い!
私も後で買いに行こうかな」
「ねぇ、今から一緒に行ってみない?」
*
パピィ「はぁはぁ、恋がかなうお香がミモモショップにあるって聞いたわ!」
クモモ「ちょっとちょっと、慌てないで欲しいクモ…」
パピィ「限定だから売り切れちゃったら大変だわ。
クモモたん早くちてよもう!」
クモモ「うーん、きっとこれのことクモね」
クモモが棚からピンク色の小瓶を運んできました。
クモモ「『願いごとポットかなえます~』という商品クモ。
パピィさんもお目が高いクモね」
パピィ「変な名前ね…。
ってしょんなことはどうだっていいわ!
早くそれをちょうだい!」
クモモ「毎度ありでクモ~」
パピィ「さっそく使ってみたいんだけど、手伝ってくれる?」
クモモ「お客さんのためならお安いご用クモよ」
クモモが読む説明書の内容に従って、パピィは小瓶の中にろうそくを立ててみます。
小瓶のふたを閉めると、ふたに開いた穴から黄色い煙がもくもくと立ちこめていきます。
パピィは両手を合わせ、願い事を唱えました。
パピィ「ムルモとラブラブになりたい、ラブラブになりたい…」
しばらくすると煙の中にパピィとムルモの姿が浮かんできました。
煙の中の二人は目をつぶり、そしてムルモの唇がパピィの方へ…。
パピィ「はぁ~~、あたちとムルモがあんなにラブラブになれるのね。
キスなんてまだ早ちゅぎるわ…」
恥ずかしさとうれしさでパピィの顔は真っ赤になりました。
クモモ「パピィさんの願い事はすごく強いクモね」
パピィ「そうだこうしちゃいられないわ。
ムルモにデートを申し込まなきゃ」
パピィはムルモへデートの申し込みを書いたメールを送りました。
3分後、ムルモからの返事が来ました。
「何だか嫌な予感がするけど、明日は天気が良さそうだからOKでしゅよ」
相変わらず一言多い返事です。
帰り道、パピィは何度もムルモの名前を呼び続けました。
4人分の妖精を描いた今回はかなり時間がかかってしまいました。そして二人のキスシーンを描いたのも初めてですが、描く方としてもドキドキしますね(^^;。
(2006/3/10)