パピィ&クモモ(1)

 それは一日前のことでした。
妖精デパートでお買い物を楽しんだパピィちゃん。
たくさんのキャンディを抱えながら妖精デパートを後にしました。
すると二人の女の子妖精が話しているのが聞こえてきました。

 「知ってる?知ってる?
  ミモモショップに今とっておきの限定商品があるみたいよ」
 「へ~、どんな商品なの?」
 「願い事をかなえるお香があるみたいなんだ。
  友達がそのお香を焚いたら、好きな人と両思いになれたんだって!」
 「すご~い!
  私も後で買いに行こうかな」
 「ねぇ、今から一緒に行ってみない?」

 パピィ「はぁはぁ、恋がかなうお香がミモモショップにあるって聞いたわ!」
 クモモ「ちょっとちょっと、慌てないで欲しいクモ…」
 パピィ「限定だから売り切れちゃったら大変だわ。
     クモモたん早くちてよもう!」
 クモモ「うーん、きっとこれのことクモね」

 クモモが棚からピンク色の小瓶を運んできました。

 クモモ「『願いごとポットかなえます~』という商品クモ。
     パピィさんもお目が高いクモね」
 パピィ「変な名前ね…。
     ってしょんなことはどうだっていいわ!
     早くそれをちょうだい!」
 クモモ「毎度ありでクモ~」
 パピィ「さっそく使ってみたいんだけど、手伝ってくれる?」
 クモモ「お客さんのためならお安いご用クモよ」

 クモモが読む説明書の内容に従って、パピィは小瓶の中にろうそくを立ててみます。
小瓶のふたを閉めると、ふたに開いた穴から黄色い煙がもくもくと立ちこめていきます。
パピィは両手を合わせ、願い事を唱えました。

 パピィ「ムルモとラブラブになりたい、ラブラブになりたい…」

 しばらくすると煙の中にパピィとムルモの姿が浮かんできました。
煙の中の二人は目をつぶり、そしてムルモの唇がパピィの方へ…。

 パピィ「はぁ~~、あたちとムルモがあんなにラブラブになれるのね。
     キスなんてまだ早ちゅぎるわ…」

 恥ずかしさとうれしさでパピィの顔は真っ赤になりました。

 クモモ「パピィさんの願い事はすごく強いクモね」
 パピィ「そうだこうしちゃいられないわ。
     ムルモにデートを申し込まなきゃ」

 パピィはムルモへデートの申し込みを書いたメールを送りました。
3分後、ムルモからの返事が来ました。
 「何だか嫌な予感がするけど、明日は天気が良さそうだからOKでしゅよ」
相変わらず一言多い返事です。
帰り道、パピィは何度もムルモの名前を呼び続けました。


 4人分の妖精を描いた今回はかなり時間がかかってしまいました。そして二人のキスシーンを描いたのも初めてですが、描く方としてもドキドキしますね(^^;。

(2006/3/10)