リルム&ムルモ&パンタ(1)

 豪華なお菓子でおなかいっぱいになった妖精たち。
夕食後はそれぞれ思い思いに自分の時間を過ごしていました。
1階のリビングルームでは、ムルモとリルムとパンタの3人がトランプのばば抜きを楽しんでいるようです。

 リルム「もうこれ以上パンタさんに一人勝ちはさせませんわ!
     さぁパンタさん、今度こそジョーカーを引いてくださいですわ~」
 パンタ「うーん、これは怪しいですっち?
     それともこっちですっち?」
 リルム「!」
 パンタ「わーい!上がりですっち~!
     これで3連勝ですっち~」
 リルム「またパンタさんに負けてしまいましたわ~~。
     パンタさん、とってもお強いです!」
 ムルモ「リルムしゃんが顔に出しすぎるからじゃないでしゅか。
     というかジョーカー持ってることしゃべっちゃだめでしゅ」
 リルム「え・・そうなんですか?」
 ムルモ「・・逆にボクは2回連続ビリでしゅからね・・・、
     今度ビリになると罰ゲームが待ってるから、
     ここはなんとしてでもリルムしゃんに勝たないと・・」

 ムルモ「えいっ」
 リルム「はいですわ」
 ムルモ「ほえ~~っ」
 リルム「どぉりゃ~~~っ」

 二人のかけ声とともに真剣なやり取りが交わされると、その勝負の結末はやがて訪れました。

 ムルモ「ほえ~っ、負けちゃったでしゅ~~っ」
 リルム「はぁはぁ、危なかったですわ」
 パンタ「わーい、ムルモお兄ちゃんの罰ゲームですっち!」
 ムルモ「ボクが罰ゲームでしゅか・・・」
 パンタ「早く早く~」

 期待で目が輝いているパンタの攻めにムルモは思わず後ずさり。
ふと視線をそらすと、2階へと続く階段から妖精が一人降りてくるのが映りました。

 ムルモ「アロマしゃ~ん!
     アロマしゃんも一緒にばば抜きはどうでしゅか?」
 アロマ「えっ、私・・・勝負ごとはあまり得意ではないのですが」
 ムルモ「勝負じゃなくてゲームでしゅ。
     さっきまでしゅっご~く盛り上がっていたんでしゅよ」
 アロマ「うーん、どうしましょう・・・?」
 パンタ「ムルモお兄ちゃ~ん、罰ゲームは~?」
 ムルモ「アロマしゃんが参加するから、今までのは無しでしゅ」
 パンタ「えー!ずるいですっち~」

 ムルモとパンタの声がリビングルームに響き渡ります。
するとそのとき!

 「ぎょえ~~~~っ」

 上の階から誰かの悲鳴が聞こえてきました。
はっと沈黙する4人たち。
急に静まりかえった静寂感に堪えきれず、4人は顔を見合わせます。

 ムルモ「今のはヤシチしゃんの声でしゅね」
 リルム「またミルモ様とヤシチさんがケンカしているのでしょうか?」
 パンタ「急に静かになったですっち。
     ミルモお兄ちゃんがケンカに勝ったんですっちね」
 アロマ「そうなのかしら・・・?
     この静けさは何か変な感じがします・・・」
 ムルモ「確かにどこかおかしい感じがしましゅね。
     ボクが2階へ行って確かめてくるでしゅ」
 リルム「わたくしも!」


 前回の予告通り、今回から本編ストーリーに突入です。突然聞こえたヤシチの悲鳴とはいかに?2階へと向かったムルモとリルムの目に映るものとはいったい?今後のストーリーにご期待くださいませ(ちょっと大げさ・・・^^;)。

 ムルモの罰ゲームに期待された方、ごめんなさい。突然の事件発生とともにムルモの罰ゲームは無かったことにされてしまいました。パンタだったらムルモにどんな罰ゲームを要求するのか、いろいろ想像してみると楽しくなります。

(2007/12/3)