ミルモ&アクミ(1)


 ミルモ「間もなく最終が発車しますよ」
 アクミ「…今さらあたいが帰ったところでどうなるのさ…」

 思い立って、中島みゆきさんの歌う『ホームにて』という歌を題材に絵を描いてみました。

    ふるさとへ 向かう最終に
    乗れる人は 急ぎなさいと
    やさしい やさしい声の 駅長が
    街なかに 叫ぶ

 ふるさとへのみやげ話の一つでも持っている人にとってはそれは楽しい帰り道ですが、そうでない人、上京してからの成果について胸を張って答えることの出来ない人は、ふるさとへ帰るには勇気を出さなければならない……歌にはそんな想いが込められています。

    振り向けば 空色の汽車は
    いま ドアが閉まりかけて
    灯りともる 窓の中では 帰りびとが笑う

 1977年に発表されたこの歌の情景は古さを感じますが、都会と地方の行き来が楽になった現在でも、人々のふるさとを思う気持ちというものは変わらないものと思います。そしてふるさとへの思いは人それぞれであるということも…。

 こういう渋い歌をミルモワールドに当てはめる際、配役の妖精選びに悩みますね。今回の主役はアクミを選びましたが、ローレライ伝説で見られた”自分の殻に閉じこもるアクミ”をベースに選出しました。駅長のミルモの方は…アクミと対等な関係で笑顔が似合う妖精となるとミルモしかいないな、と。

 それにしても真夜中の駅のホームを描くのは難しいですね。特にホームのライトに反射する青い客車を表現するのは非常に難しいです。客車は実際の写真を参考にしましたが、見ての通り妖精のサイズと客車のサイズがちぐはぐで、うーん…と思いたくなってしまいます。

(2004/9/12)